無侵襲運動神経活動計測に関する研究
研究者:西川 裕一(助教)学外共同研究者:渡邊 航平(中京大学・教授)・Aleš Holobar(Maribor University・Full Professor)
従来,運動神経の詳細な活動を評価する際には,針電極を直接筋肉に刺入する筋内筋電図法(針筋電図法)という手法が用いられています.本手法は,針を筋肉に刺入するため,痛みを伴うものであり適応となる対象者が限られることや,医師でないと行うことができないなど方法論的に制限が大きいのが欠点と言えます.
近年,多チャンネル表面筋電図(高密度表面筋電図法)という手法が開発され,発展してきています.本手法は多数の表面電極(60-250個程度)が二次元平面状に配列されたシートを用いて,皮膚の表面から筋肉から生じる電気信号(活動電位)を解析します.本手法から得た電気信号から個々の運動神経の活動へと分離する解析アルゴリズムを用いて,筋内筋電図法で得られる運動神経の情報と同等の精度で運動神経の活動を評価することが可能となってきています(Holobar et al., 2014).我々の研究室では,本手法を用いて、神経難病の病態解明や新規診断手法の確立・開発を行っています. |
本研究では,64個~128個の表面電極を用いて運動神経の解析を行っています.いままでは,大腿四頭筋や上腕二頭筋といった筋肉を対象に解析を行っています.右の図は,膝を伸ばす筋力を発揮している時の筋肉の活動をカラーマップとして示したものです.本研究では,全筋レベルでの筋活動解析や,個々の運動神経の詳細な活動をCKC methodという手法を用いて行っています(Holobar et al., 2014). |