人間適応制御研究室 金沢大学理工研究域フロンティア工学系
Biomedical Instrumentation and Control Engineering Laboratory, Kanazawa University

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体表放射熱計測による発汗現象の非接触モニタシステムの検証

 研究代表者:田中 志信(教授)
 研究分担者:内藤 尚(准教授)・西川 裕一(助教)
 金沢大学医学倫理審査委員会承認番号:87-1

背景と目的 Introduction

  暑熱環境下の体調管理や独居老人の熱中症予防、精神疾患の診断の観点から発汗量を定量計測する需要が増加している。携帯型の発汗量計が日本のメーカーから市販されているが、測定原理上エアポンプが必要で、小型とは言い難い。そこで、精神性発汗も測定可能な小型・簡易構造の発汗計測法として、汗の蒸散に伴う気化吸熱反応、具体的には汗蒸散部位の皮膚温低下に着目した新規手法を我々の研究室にて考案をした。本手法は、赤外線センサーを用いて蒸散領域の温度と蒸散抑制領域の温度差を求めることで、汗が蒸発するときに皮膚表面から逃げる熱としての潜熱を計算し、発汗量を算出するものである。当研究室にて作成した試作プローブの赤外線センサーの温度計測の精度については、in vitroの実験にて、市販の平面黒体炉(DBB-LC50、アイ・アール・システム)と比較して最大温度差±0.1℃以内であることを確認している。本研究の目的は、ヒトを対象として市販品と試作プローブを用いて測定結果を比較し、計測精度の検証を行い、簡易的発汗計機器開発の基盤となるデータを提示することである。

方法 Methods

本研究では、①安静時における性能比較実験、②運動時における性能比較実験の2つの実験を行う。

1:安静時における性能比較実験
仰向けで寝た状態で、腹部に試作プローブと市販深部体温計プローブを固定し、約60分間計測する。

2:運動時における性能比較実験
前額部に試作プローブと市販深部体温計プローブを固定し、計測時間は約90分間とする。計測開始後40分間は座位で安静とし、その後エルゴメーターで10分間下肢の運動を行い、その後40分間安静を保つ。
 

対象者の公募 Recruitment of participants

 現在、本研究への参加者を公募しています。
 研究に興味がある方は、西川裕一 (yuichi[at]se.kanazawa-u.ac.jp)までお問い合わせください。