人間適応制御研究室 金沢大学理工研究域フロンティア工学系
Biomedical Instrumentation and Control Engineering Laboratory, Kanazawa University

研究紹介 >

神経活性化を導く介入手法の確立

 研究者:西川 裕一(助教)
 学外共同研究者:渡邊 航平(中京大学・教授)・Aleš Holobar(Maribor University・Full Professor)

背景と目的 Introduction

 神経変性疾患や脳卒中、認知症などの患者に対して、機能改善や生活の質向上を目的にリハビリテーションが行われています。一度障害を受けた中枢神経は回復しないと言われていましたが、近年リハビリテーション介入により、神経可塑性が生じることで運動機能や認知機能などが改善することが多く報告されています。しかしながら、どのような介入手法が神経可塑性に有効であるのかについては明らかになっていません。本研究課題では、運動の手法や電気刺激(EMS)などの物理的な刺激を用いて、神経可塑性に関与する血液中の脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現に有効な手法を確立することを目的としています。

研究方法 Method

 我々の研究室では、これまでに地域在住の高齢者に対してEMSを行う子で、筋力増強や筋肥大に加えて神経筋機能の活性化が得られることを報告してきました(Nishikawa et al. 2019)。また、通常の歩行練習と比較してロボットスーツを用いた歩行練習は、神経活性化が得られることを確認しています。EMSは、2型糖尿病患者に対して8週間の介入を行ったところBDNFが増加することが確認されており、神経活性化を促す新しい手法として注目されています(Miyamoto et al. 2018)。我々の研究室でも、20HzのEMSによる介入を8週間行ったところ血中BDNF濃度が増加することを確認していますが、どのような周波数帯がBDNFの増加に効果的であるのかについては明らかになっていません。また、BDNFの増加と運動機能や認知機能の関係性についてもまだ不明な点が多いため、それらの関係性についても検討を行っています。

介入研究 Clinical practice

 現在、介入研究の対象者を募集しています。詳細は介入研究のページをご覧ください。

参考文献 References

  1. Nishikawa Y*, Watanabe K, Kawade S, Takahashi T, Maruyama H, Kimura H, Hyngstrom A. The effect of a portable electrical muscle stimulation device at home on muscle strength and activation patterns in locomotive syndrome patients: A randomized control trial. Journal of Electromyography and Kinesiology. 2019; 45: 46-52.
  2. Miyamoto T, Iwakura T, Matsuoka N, Iwamoto M, Takenaka M, Akamatsu Y, Moritani T. Impact of prolonged neurommuscular electrical on metabolic profile and cognition-related blood parameters in type 2 diabetes: A rondomized controlled cross-over trial. Diabetes Res Clin Pract. 2018;142:37-45.