循環器・筋骨格系統合モデルの構築
研究者:村上弘樹(学部生)担当教員:内藤尚(准教授)
人が運動を行う際、運動の負荷を増加させると血中の乳酸濃度の増加量や心臓の動態が変化する点が2点観測されます.この2点間の負荷での運動が体力強化に有効であると言われており,運動の重要な指標として注目されています.このような循環器の動態は運動を行う筋骨格系と循環器系の相互作用によるものと考えられますが,乳酸濃度や心臓動態の変化メカニズムは解明されていません.
この研究では循環器と運動を行う筋骨格系のモデルを構築し,相互作用モデルにより二つのモデルを統合したモデルを構築し,数値シミュレーションを行うことで運動時における循環器動態の変化メカニズムを解明することを目的としています. |
本研究ではDanielsenらのモデル(1998)を基に循環器系モデルを開発しています.このモデルは心臓や血管の特性をアナログ電気回路に置き換えたモデルで簡便かつ詳細に循環器の動態を表現することができます.運動中の循環器動態の変化の要因として心臓に流れる血液(冠循環)の変化が考えられます.本研究では矢田らのモデル(1994)を基に冠循環モデルを構築しています.さらに運動中の神経による心拍数および血圧の上昇と筋骨格系モデルを構築することで,運動時における循環器系の動態変化を表現しうるモデルを開発しています. |