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種々の環境における歩行運動計測と運動解析

研究者:関根広大(大学院生)、岩切悠河(学部生)
担当教員:内藤尚(准教授)
背景と目的 Introduction
 路面環境の違いや履物の種類などは,人の歩行運動を大きく変えることから,歩行運動に多大な影響を与えると考えられています.現状では,光学式モーションキャプチャを用いる手法等による計測環境の制約により,歩行計測の研究の多くは整地路面での歩行に限定されてきました.9軸センサは低コスト,非拘束で計測範囲に制限がないため,種々の環境における歩行運動を計測することができます.
 本研究では,センサフュージョンと呼ばれる手法を用いて,ジャイロセンサのドリフト誤差を,加速度,地磁気からそれぞれ得られた姿勢情報を組み合わせることにより,個々のセンサの欠陥を補正し,正確な姿勢情報を推定できるアルゴリズムの構築を行い,身体運動をした際の3次元姿勢の精度を検証します.その後,種々の環境における歩行運動計測を行い,通常歩行における歩行との比較をします.
研究方法 Method
 本研究では,2組の3軸ジャイロセンサ,3軸加速度センサ,3軸地磁気センサが搭載された9軸センサをセンサフュージョンと呼ばれる手法を用いて相対座標系における3次元姿勢を推定するアルゴリズムを考案しました.図2に示すように,測定したい関節を挟むようにそれぞれセンサを取り付け,センサiからみたセンサi+1の関節角度を推定することで,相対座標系における3次元姿勢を推定することができます.この手法を身体運動計測に用いることで,坂道,砂利道,履物の違い等による種々の環境における歩行運動計測を行い,歩行の特性を分析しようと考えています.
参考文献 Reference
  • 大見泰介,内藤尚,野川雅道,田中志信:9軸センサ情報から姿勢を推定するカルマンフィルタを用いたアルゴリズムの提案とその精度検証,日本生体医工学会平成27年度北陸支部大会,富山,2015年12月12日