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The effect of electrical muscle stimulation on muscle mass and balance in older adults with dementia

Brain Sciences. 2021;11:339.
*corresponding author
 西川 裕一(金沢大学)*
 高橋 哲也(広島国際大学)
 川出 周平 (MTG株式会社)
 前田 憲明(広島大学)
 丸山 博文(広島大学)
 Allison Hyngstrom(Marquette University)
背景と目的 Introduction
 本邦に限らず,高齢化は世界的に進行しており,認知症の罹患率も増加しています.リハビリテーションは認知症患者のADLやQOLの改善に有効であることが知られていますが,認知症が進行すると指示理解が困難となり,十分なリハビリテーションの効果が得られないことが報告されています.
 本研究では,指示理解が困難な対象者にも適応可能な電気刺激(EMS)に着目し,リハビリテーションにEMSを付加して実施することで,認知症患者のADLやバランス機能,筋肉量にどのような変化があるのかを検討しました.
研究方法 Method
 合計32名の対象者を無作為に介入群(16名,89.4±4.8歳),コントロール群(16名,88.1±5.2歳)に割り当てました.介入群は筋力トレーニングや歩行練習などのリハビリテーション(20分/日,3回/週)に加えてEMS介入(23分)をリハビリテーション実施後に実施しました.コントロール群は,リハビリテーション(20分/日,3回/週)のみ実施しました.介入は12週間に亘って実施しました.
 介入の評価として,下肢の筋肉量・バランス評価・ADLの評価を介入前・後に行いました.
結果 Results
 介入群は,12週間の介入により有意に下肢の筋肉量が増加することを確認しました,一方でコントロール群は,12週間後に5名の対象者においてバランス機能やADLの低下が確認されました.
結論 Conclusions
 本研究により,EMS介入は認知症患者に対する筋肉量増加,およびバランス機能の維持に効果的であることが示唆されました.介入群には寝たきりの対象者や重度認知症患者も含まれていましたが,そのような対象者でも筋肉量が増加し,バランス機能などが維持できたという知見はとてもインパクトのある結果と言えます.