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The effect of electrical muscle stimulation on quadriceps muscle strength and activation patterns in healthy young adults

European Journal of Sport Science
*corresponding author
 西川 裕一(金沢大学)*
 渡邊 航平(中京大学)
 高橋 哲也(広島国際大学)
 前田 憲明(広島大学)
 丸山 博文(広島大学)
 木村 浩彰(広島大学病院)
背景と目的 Introduction
 神経筋電気刺激(EMS)は,リハビリテーション分野などで広く用いられている介入手法です.従来の筋力増強トレーニングは,サイズの小さな運動単位から徐々に活動が始まり,筋出力が増加するに伴いサイズの大きな運動単位が徐々に活動していきます(サイズの原理).一方で,EMSは電気で筋肉を刺激するため,神経線維が太いものがより刺激を受けるため,サイズの原理とは異なる活動様式を呈することが知られています.しかしながら,EMS介入により,サイズの大きな運動単位(いわゆる速筋線維)の活性化が生じるのかを検討した報告はありません.
 本研究は,多チャンネル表面筋電図を用いて,非侵襲的に運動単位の活動を解析することにより,高強度筋出力発揮時の筋活動をEMS介入前後で比較し,EMSがサイズの大きな運動単位の活性化に寄与しているのかを明らかにすることを目的としました.
研究方法 Method
 健常男性32名を無作為にEMS介入群(18名)とコントロール群(14名)に割り当てました.EMS介入群は,両側の大腿四頭筋に対して20分/日,3日/週の介入を4週間に亘って実施しました.コントロール群は,介入は行わず,評価のみを行いました.評価は,等尺性膝伸展筋力,体組成計による下肢筋肉量および筋活動としました.多チャンネル表面筋電図は,64個の電極が二次元平面状に配列された専用のシート(右図)を用いて外側広筋から筋活動中の活動電位を計測しました.運動課題は,対象者の最大筋力(MVC)を測定したのち,最大筋力の70%まで徐々に力を入れる漸増的筋出力発揮課題を行い(ramp up rate = 10%MVC/sec),解析には,10%,30%,50%,70%MVC発揮時の筋活動を用いました.
結果 Results
 4週間のEMS介入により,膝伸展筋力の有意な改善を認めましたが,筋肉量には変化はありませんでした.筋活動に関しては,10%および30%MVC発揮時の筋活動には有意な差は見られませんでしたが,50%および70%MVC発揮時には,有意な変化を認めました.また,筋活動の変化量と筋力の変化量には有意な相関関係があることが明らかになりました.
結論 Conclusions
 本研究により,EMS介入は高強度での筋出力発揮時の筋活動の活性化に効果的であることが明らかになり,サイズの大きな運動単位の活性化に寄与していることが示唆されました.